特集 ここが聞きたい―泌尿器科外来における対処と処方
6.内分泌疾患
■精巣および性機能障害
【精巣機能障害】
76.両側精巣が萎縮しており,精巣機能障害が疑われる患者です。分類およびそれぞれの対処と処方について教えて下さい。
石川 博通
1
,
宮地 系典
1
1東京歯科大学市川総合病院泌尿器科
pp.277-279
発行日 2005年4月5日
Published Date 2005/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100284
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1 診療の概要
精巣容量は打ちぬき式のオーキドメーターで測定する。それが14mリットル以下の場合を精巣萎縮と考える(図1)。
両側精巣萎縮の原因は,中枢性(低ゴナドトロピン性)および精巣性(高ゴナドトロピン性または正ゴナドトロピン性)に分類される。中枢性のうち,視床下部の異常によるゴナドトロピン分泌障害が原因と考えられるものにはKallmann症候群1),Prader-Willi症候群2),および思春期遅発症3)などがある。また下垂体の異常によるものには下垂体の器質的疾患,下垂体腫瘍(特にプロラクチン産生腫瘍4))などがある。精巣性ものには半陰陽などの性分化異常,Klinefelter症候群に代表される染色体異常,AZF領域の欠損を中心とする遺伝子異常5)および停留精巣などがある(表1)。
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