特集 ここが聞きたい―泌尿器科外来における対処と処方
5.腫瘍(外来化学療法)
【癌性疼痛】
67.癌性疼痛をきたした患者です。癌性疼痛に対する標準的な薬物療法について教えて下さい。
細川 幸希
1
,
武田 純三
1
1慶應義塾大学医学部麻酔科
pp.242-245
発行日 2005年4月5日
Published Date 2005/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100275
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1 診療の概要
進行癌患者の60~90%は中等度以上の癌性疼痛を経験するといわれている1)。癌性疼痛とは癌患者に生じたすべての疼痛を指し,その原因は,(1)癌自体が原因の痛み,(2)癌に関連した痛み,(3)治療に起因した痛み,(4)癌以外の合併症による痛み,の4種類に分類される。癌自体やそれに関連した痛みに対してはWHO方式がん疼痛治療法2)が基本となる。薬物治療を効果的に行うには,原因検索を含めた的確な疼痛評価が重要である(表1)。
2 治療方針
1.WHO方式がん疼痛治療法2)
WHO方式がん疼痛治療法は癌性疼痛に対する薬物療法の指針であり,この方法を正しく実施すれば70~90%の癌患者の痛みを消失,あるいは十分に緩和できることが実証されている。ここでは,鎮痛薬の使用法を次の5点に要約している。
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