特集 ここが聞きたい―泌尿器科外来における対処と処方
5.腫瘍(外来化学療法)
【癌性疼痛】
70.癌性疼痛に対してモルヒネを使用したところ,頑固なしびれ感をきたした患者です。対処と処方について教えて下さい。
大西 幸
1
,
武田 純三
1
1慶應義塾大学医学部麻酔科
pp.253-257
発行日 2005年4月5日
Published Date 2005/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100278
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1 診療の概要
モルヒネの作用や副作用によってしびれ感が生じることはないが,このような訴えは少なくない。疼痛が緩和された結果,それまで自覚されていなかったしびれ感が意識されるようになったと考えられる場合が多いが,原因となる病態の進行に伴い,しびれ感が増強している症例もある。また,患者の訴える“しびれ感”は,感覚鈍麻,感覚異常だけでなく,神経因性“疼痛”や“麻痺”を指していることもある。しびれ感が増強してきている症例では,急速に麻痺が進行する可能性があるので注意が必要である。
一方,感覚異常や疼痛は機能的に問題をもたらすものではないが,患者にとって耐え難く,NSAIDsやオピオイドが効きにくく,難治性のことがある。
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