特集 ここが聞きたい―泌尿器科外来における対処と処方
5.腫瘍(外来化学療法)
【リンパ浮腫】
66.膀胱癌,前立腺癌の治療により併発したリンパ浮腫の患者です。対処と処方について教えて下さい。
住吉 義光
1
,
河村 進
2
1四国がんセンター泌尿器科
2四国がんセンター形成外科
pp.237-241
発行日 2005年4月5日
Published Date 2005/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100274
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
1 診療の概要
1.頻 度
膀胱癌や前立腺癌に対する手術や放射線療法後の合併症であるリンパ浮腫についての最近の報告はそれほど多くない。排尿機能や勃起機能に対する報告が多数あるのと対照的である。手術あるいは放射線単独療法でのリンパ浮腫の頻度は10%前後と低く,程度も軽度なものが多い。しかしながら,両者を併用すればその発症頻度も高くなる。前立腺癌に対し,骨盤内リンパ節郭清術後に放射線療法を行った場合の頻度は25~40%と急増する。
近年,浸潤性膀胱癌に対する膀胱温存を目的としたTUR後の化学放射線療法や前立腺全摘除術後の再発に対するサルベージ放射線療法が増えており,今後,合併症としてのリンパ浮腫も増加すると思われる。
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.