特集 ここが聞きたい―泌尿器科外来における対処と処方
5.腫瘍(外来化学療法)
【膀胱癌】
61.表在性膀胱癌に対するBCG膀胱内注入療法を施行中に膀胱炎,発熱,関節炎などの副作用が発生した患者です。対処と処方について教えて下さい。
宮永 直人
1
,
赤座 英之
1
1筑波大学臨床医学系泌尿器科
pp.218-221
発行日 2005年4月5日
Published Date 2005/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100269
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1 診療の概要
BCG(bacillus Calmette-Gurin)の膀胱内注入療法(膀注療法)は,表在性膀胱癌の治療法として定着してきており,特に初発・再発を問わず,膀胱上皮内癌(CIS)ではBCGが第一選択の薬剤となっている1,2)。ただしBCG療法は高い治療効果が認められるものの,その作用機序は未だに明確にされておらず,また高頻度で多様な薬物有害反応(副作用)が出現することが課題の1つとなっている3)。
本邦におけるBCG膀注療法の全国使用成績調査4)では,2249例のうちの65%に何らかの副作用が認められている(表1)。発生しやすい副作用としては,排尿痛,頻尿,血尿,発熱などがある。Akazaら5)によれば,頻尿,排尿痛,発熱などの発現時期は多くが投与当日であり,持続日数は頻尿,排尿痛が2日,血尿,発熱が1日であった。一方,重大な副作用としては表2に示すようなものが知られており,播種性BCG感染や全身性過敏症反応に起因したと考えられる死亡例の報告もある。
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