特集 ここが聞きたい―泌尿器科外来における対処と処方
5.腫瘍(外来化学療法)
【腎癌】
57.腎癌の患者です。インターフェロン療法の方法,継続期間について教えて下さい。
今井 智之
1
,
冨田 善彦
1
1山梨大学医学部腎泌尿器外科
pp.204-206
発行日 2005年4月5日
Published Date 2005/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100265
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1 診療の概要
近年,超音波断層法の普及などで偶然に発見される早期の腎細胞癌が増加し,10年生存率が50%以上となっている。しかし,初診時にすでに転移を有する進行症例の比率は20~30%と,あまり減少していない1)。また,腎細胞癌の特徴として,消化器系の癌で根治の目途とされる術後5年を過ぎても再発が起こる症例が存在する。これら進行症例および再発予防に対する治療法はいまだ確立されているとはいえない。
腎細胞癌は,現在のところ抗癌薬の単独療法や照射療法はほぼ無効と考えられている一方,免疫療法により長期完全寛解した有転移症例や,癌が縮小しなくともその進行が抑えられているstable diseaseの症例が存在するという特徴を有する。本邦で臨床的に施行可能な免疫療法には,サイトカインの投与と免疫担当細胞を用いた療法が挙げられる。後者は特別な設備と経験が必要であり,ごく一部の施設で施行されている。
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