特集 泌尿器科外来ベストナビゲーション
5.腫瘍(外来化学療法)
【腎癌】
56.腎癌の患者です。インターフェロン療法の方法,継続期間について教えてください。
鎌田 雅行
1
,
執印 太郎
1
1高知大学医学部泌尿器科
pp.192-193
発行日 2008年4月5日
Published Date 2008/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101436
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1 診療の概要
検診や人間ドックにおける腹部超音波検査の普及,さらに他科疾患などに対し腹部CT検査がとられる機会が増加し,腎腫瘍を指摘される患者が増加してきており,年間約1万人が発症している。腎細胞癌のほとんどの症例は,転移がなく腎部分切除術あるいは根治的腎摘出術の適応となるが,他の癌と異なり,手術後5~10年以上経過して転移が出現する場合がある。また,初診時,すでに転移を有している症例は20~30%存在する1)。これらの転移に対する治療法としては,手術療法,放射線療法,化学療法,免疫療法(通常はサイトカイン療法)などが行われているが,日本では,いまだ確立されたものはない。一方,海外では分子標的薬(sorafenib, sunitinib, bevacizumab)の高い有効性が報告されている。日本でも,これらの薬剤の治験が進んでおり,近く認可される予定である。今後は,分子標的薬剤とインターフェロン,インターロイキン2等のサイトカインの併用療法など,症例によって,幾つかの治療選択の幅が広がってくるものと思われる。
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