特集 ここが聞きたい―泌尿器科外来における対処と処方
1.尿路・性器の炎症性疾患
■非特異性感染症
【ペイロニー病(形成性陰茎硬化症)】
20.形成性陰茎硬化症が疑われる患者です。対処と処方について教えて下さい。
石井 泰憲
1
1石井クリニック
pp.72-74
発行日 2005年4月5日
Published Date 2005/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100228
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1 診療の概要
ペイロニー病は陰茎に硬結を形成する比較的稀な疾患で,1743年にフランスの外科医Francois de la Peyronieにより報告され,40~70歳までどの年齢にも発生するとされている1)。発生原因は急性で反復性の外傷説が有力だが,慢性血管炎,動脈硬化,外傷,痛風,糖尿病,内分泌異常,過度の性交,老人性変化,自己免疫疾患などの説もあり,未だ明らかになっていない2)。
まず,陰茎白膜と海綿体の間の疎性結合組織で血管炎として始まり,出血,炎症のため線維化,石灰化を生じ,陰茎背面に線維化よる結節状・板状の硬結を形成する。陰茎背面の硬結が増大すると,勃起時の疼痛,硬結部の白膜が伸展・膨張しないため,陰茎の屈曲,性交不能を患者は訴えるようになる3)。
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