特集 泌尿器科外来ベストナビゲーション
1.尿路・性器の炎症性疾患
■非特異性感染症
【ペロニー病(形成性陰茎硬化症)】
19.陰茎の疼痛を訴え形成性陰茎硬化症が疑われる患者です。対処と処方について教えてください。
永尾 光一
1
,
小林 秀行
1
,
原 啓
1
,
石井 延久
1
1東邦大学医学部泌尿器科
pp.68-70
発行日 2008年4月5日
Published Date 2008/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101395
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1 診療の概要
形成性陰茎硬化症(ペロニー病)は,フランスのFrançois Gigot la Peyronieが1743年に最初に報告した疾患である。発音は,ペイロニーではなくペロニーである。ペロニー病は,陰茎海綿体白膜に線維性硬結が形成される良性の疾患であり,勃起時疼痛,硬結の触知,陰茎彎曲,勃起不全などになり,性交障害の原因となる。
発生頻度は,2000年ドイツ人男性8,000人の一般人調査(回収率55.4%,4,432人,平均年齢57歳)で,発生頻度(硬結の触知)3.2%,年齢別では,30歳代1.5%,40歳代3.0%,50歳代3.0%,60歳代4.0%,70歳以上6.5%であり,頻度の高い疾患である。訴えとしては,陰茎彎曲84%,勃起時疼痛46.5%,勃起障害40.8%,その他1.04%である1)。本邦での統計報告はないが,発生頻度は,3.2%より低いと思われる。また,手足の拘縮(Dupuitren's contracture)を併発することがある。
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