特集 ここが聞きたい―泌尿器科外来における対処と処方
1.尿路・性器の炎症性疾患
■性感染症
【陰部ヘルペス】
26.陰茎の痛みを伴うびらんにより陰部ヘルペスが疑われる患者です。対処と処方について教えて下さい。
小松崎 眞
1
,
小野寺 昭一
2
1東京慈恵会医科大学皮膚科
2東京慈恵会医科大学泌尿器科・感染制御部
pp.98-100
発行日 2005年4月5日
Published Date 2005/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100234
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1 診療の概要
陰部ヘルペスは単純ヘルペスウイルス(herpes simplex virus:以下,HSV)による感染症である1)。感染経路はHSVに汚染された体液や分泌物に直接または間接(例えば体液や分泌物のついた手指や器物などを介して)に接触することによる接触感染で,陰部ヘルペスは主に性行為によって感染する性行為感染症である1)。
初感染すると2~12日間の潜伏期間を経て感染部位に紅斑,紅色丘疹,小水疱を生じ,疼痛や灼熱感を自覚する。初感染時には発熱,全身倦怠感,鼠径リンパ節腫脹を伴い重症で,皮疹が痂皮化して治癒するのに2~3週間を要する。初感染の急性期を経過したあともHSVは腰仙骨神経節に潜伏感染し,発熱,手術や放射線照射などの医療行為,疲労といったさまざまな身体的ストレスを契機に再発する。再発型では前駆症状として陰部のそう痒感や違和感を自覚することがある。
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