特集 ここが聞きたい―泌尿器科検査ベストプラクティス
K.内分泌機能検査法
【間脳-下垂体-副腎皮質系の内分泌機能検査】
94.間脳-下垂体-副腎皮質系の内分泌機能検査の適応と方法,注意点について教えて下さい。
鈴木 啓悦
1
1千葉大学大学院医学研究院泌尿器科学
pp.333-336
発行日 2006年4月5日
Published Date 2006/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100141
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1 間脳-下垂体-副腎皮質系とは
副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(corticotropin-releasing hormone:CRH)は視床下部室傍核で産生される41個のアミノ酸からなるポリペプチドである。CRHは下垂体門脈を経て下垂体前葉に送られ,副腎皮質刺激ホルモン(adrenocorticotropic hormone:ACTH)の合成・分泌を促進する1)。なお,CRHは視床下部以外の大脳辺縁系などの脳組織や脳以外の組織(副腎,膵臓,精巣,胎盤など)でも産生され,ACTH分泌作用のほか性腺系,消化器系,免疫系などへの作用も認められる。
ACTHは副腎皮質からの糖質コルチコイドの分泌を刺激するが,CRH,ACTHの分泌は糖質コルチコイドによってnegative feedbackを受ける2)。また,ACTHは思春期以降は副腎アンドロゲン(DHEA-S)の分泌を促進する。アルギニンバソプレシンやカテコラミンにもACTH分泌作用があるが,CRHのACTH分泌作用が最も強力である。
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