特集 ここが聞きたい―泌尿器科検査ベストプラクティス
H.超音波診断法
■超音波ドプラ
【超音波ドプラ】
82.超音波ドプラ検査の適応および有用性,臨床的意義について教えて下さい。
大森 聡
1
,
近田 龍一郎
1
,
藤岡 知昭
1
1岩手医科大学泌尿器科
pp.288-292
発行日 2006年4月5日
Published Date 2006/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100129
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1 はじめに
超音波カラードプラ法やパワードプラ法の登場により従来では困難だった低速の血流が検出できるようになり,その血流動態の解析から形態的異常の診断に加えて病態,機能を評価する試みが行われるようになってきた。
泌尿器科領域における超音波ドプラ法の臨床応用としては,(1)腫瘍性病変の診断1,2),(2)急性陰囊症の鑑別診断3),(3)移植腎の拒絶反応・急性腎不全,慢性腎不全の腎機能評価4~6),(4)尿流の評価を用いたウロダイナミクス7,8),(5)勃起障害に対する陰茎血流の評価9)など多岐にわたる報告がなされている。
このうち,腎機能評価やウロダイナミクス,勃起機能評価などは限られた施設での報告にとどまり,一般泌尿器科領域における日常診療のなかでドプラ超音波がその有用性を発揮するのは,(1)腫瘍性病変の診断(特に腎腫瘤性病変の鑑別診断),(2)急性陰囊症の鑑別診断であろうと思われる。
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