特集 ここが聞きたい―泌尿器科検査ベストプラクティス
H.超音波診断法
■各種臓器の超音波診断
【膀胱】
77.残尿測定の方法,コツ,近似式の使い方について教えて下さい。
野田 賢治郎
1
1東京医科大学八王子医療センター泌尿器科
pp.271-273
発行日 2006年4月5日
Published Date 2006/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100124
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1 はじめに
前立腺肥大症や神経因性膀胱などの下部尿路症状を呈する疾患の診療において,残尿量の把握は必須である。現に,前立腺肥大症の領域別重症度判定基準1)の1項目として残尿量が含まれている(表1)。
残尿測定の方法として,直接残尿量を計測する尿道カテーテル法と,超音波断層法で計測した値を用い近似式で残尿推定量を算出する方法がある。前者は正確な残尿量を把握できる反面,侵襲的で感染や尿道損傷,出血をきたす可能性がある。一方後者は,非侵襲的な方法であり,前立腺肥大症診療ガイドラインでも経腹壁的超音波断層診断法での残尿測定を推奨している。また,Bladder ScanTM(Diagnostic Ultrasound Corporation, Redmond, WA 98052)などの残尿測定専用装置も存在し,その有用性も報告されている2)。
本稿では,経腹壁的超音波断層診断法での残尿測定の方法について述べる。
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