特集 ここが聞きたい―泌尿器科検査ベストプラクティス
H.超音波診断法
■各種臓器の超音波診断
【前立腺】
80.前立腺体積を測定する際のコツを教えて下さい。また,経腹壁的測定法と経直腸的測定法ではどちらが有用でしょうか。
野田 賢治郎
1
1東京医科大学八王子医療センター泌尿器科
pp.281-283
発行日 2006年4月5日
Published Date 2006/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100127
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1 はじめに
前立腺疾患の診療において,体積を把握することは重要である。前立腺肥大症の領域別重症度判定基準1)(表1)や領域別治療効果判定基準2)(表2)の1項目として前立腺体積が含まれている。また,前立腺癌では,診断効率向上目的のPSA関連マーカーであるPSA densityなどを算出する際に体積が必要となる。超音波断層法を用いた前立腺体積の測定方法として,経腹壁的測定法と経直腸的測定法がある。後者は詳細な内部構造の観察に優れている。前立腺肥大症診療ガイドライン1)では,形態観察および体積測定に主眼をおいているために経腹壁的および経直腸的測定法の両者を推奨しているのに対し,前立腺癌取扱い規約3)では,癌の局在診断が主たる目的となるために経直腸的測定法を推奨している。
前立腺超音波診断の基本的読影法は他稿を参照していただき,本稿では経腹壁的および経直腸的超音波断層診断法での体積測定の方法について述べる。
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