特集 ここが聞きたい―泌尿器科外来における対処と処方
3.前立腺肥大症
【前立腺肥大症】
50.α1ブロッカーを内服している前立腺肥大症の患者が頻尿を訴えています。残尿はほとんどありません。対処と処方について教えて下さい。
横田 崇
1
1福島県立医科大学泌尿器科
pp.177-179
発行日 2005年4月5日
Published Date 2005/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100258
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1 診療の概要
前立腺肥大症(benign prostatic hypertrophy:以下,BPH)に合併する夜間頻尿については別項で取り上げられているので,ここでは主に昼間頻尿について述べる。設問でα1ブロッカーを内服しているBPH患者と断っていることから,最近話題の尿道閉塞に伴って発症する過活動膀胱(overactive bladder:以下,OAB)を思い起こさせる。しかしBPHの有無にかかわらず頻尿を主訴に病院を受診する高齢男性患者は多く,その原因は表1に示すとおりである。
たとえα1ブロッカーを内服していたとしても,頻尿の原因がOABに関連するものなのか,あるいはそれ以外のもので起こっているのかを鑑別しなければならない。そのなかでも高齢やBPH年齢に限った場合,(1)多尿,(2)機能的膀胱容量の減少(残尿の発生),(3)OABの合併の3つは特に鑑別の必要がある。この3つのなかで,設問の内容から残尿はほとんどないということなので(2)は除外され,今回の場合は多尿とOABを念頭に置かなければならない。鑑別診断については診療方針で述べることとし,ここでは最近話題のBPHに合併するOABについて概説する。
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