特集 ここが聞きたい―泌尿器科外来における対処と処方
4.尿路結石
【尿管結石】
53.頻尿,残尿感,排尿時痛を伴う下部尿管結石の患者です。対処と処方について教えて下さい。
滝花 義男
1
1山梨大学医学工学研究部泌尿器科
pp.189-191
発行日 2005年4月5日
Published Date 2005/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100261
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1 診療の概要
結石は腎臓内にあるときには無症状のことが多く,結石が腎盂尿管移行部または移行部より遠位の尿管に嵌頓すると疼痛が起こる。さらに結石が下降し膀胱壁に達すると,膀胱刺激症状である頻尿,残尿感,排尿時痛が出現してくる1)。
血尿は疝痛発作が出現しているときには,顕微鏡的血尿はほとんど全例に認められ,しばしば肉眼的血尿も認められる。しかし肉眼的血尿も薄い肉眼的血尿が多く,出血傾向がない患者や抗凝固薬を服用していなければ血塊が出ることはあまりみられない。明らかな感染を伴わなくても膿尿がみられるが,ほとんど軽度である。尿細菌培養でも陰性が多い2)。尿沈査で膿尿がひどいときには尿路感染症を合併している可能性を必ず考慮に入れる必要があるし,感染性結石の可能性もある。また尿管結石により尿管が完全閉塞していると,膿尿がほとんどみられなくても腎盂腎炎が合併している可能性もある。
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