特集 ここが聞きたい―泌尿器科検査ベストプラクティス
F.MRI
【MRI】
61.MRIの適応と禁忌,方法,基本的読影方法について教えて下さい。
津ケ谷 正行
1
,
伊藤 尊一郎
1
,
遠藤 純央
1
1豊川市民病院泌尿器科
pp.206-209
発行日 2006年4月5日
Published Date 2006/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100108
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1 MRIの適応と禁忌
任意の断層像を撮影できることがMRIの利点とされていた。しかし,近年,急速に普及しているマルチスライスCT(多列検出型CT)は任意の断層像を比較的簡単に得ることができ,しかも高速撮影が可能であることから,造影すれば血管や尿路を明瞭に描出でき,MRアンギオグラフィ(MRA)やMRウログラフィを凌駕している。MRウログラフィでは尿の停滞のない正常な尿路の描出は不明瞭となるが,逆に水腎・水尿管症が高度で造影されないような腎盂・尿管を造影せずに明瞭に描出できることが利点である1)(図1)。またMRIでは副作用のきわめて少ない造影剤(Gd-DTPA)の使用によってCTにおけるヨード系造影剤とほぼ同様の造影効果や腎における排泄を捉えることができる1)。MRIの大きな欠点は,高速撮影ができるようになったものの,CTに比べて撮影時間が長いため呼吸や体動によるアーチファクトで不良な画像となることである2)。
結石や石灰化はMRIでは無信号となり,CTでは小さな結石も明瞭に描出でき,尿路結石ではCTが優位である3)。
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