特集 ここが聞きたい―泌尿器科検査ベストプラクティス
G.核医学的診断法
【副甲状腺シンチグラフィ】
70.副甲状腺シンチグラフィの適応,方法,基本的読影法について教えて下さい。
三木 健太
1
1東京慈恵医科大学泌尿器科
pp.241-243
発行日 2006年4月5日
Published Date 2006/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100117
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1 はじめに
Ferlinらは,1981年に副甲状腺のイメージングにサブトラクション法を報告している。これはカリウムイオンアナログである201Tl-chloride(タリウム)が甲状腺と副甲状腺に集積するのに対し,ヨウ化物アナログである99mTc-O4-は甲状腺のみに集積するので,これらの画像をコンピュータで差し引き(サブトラクション)して,過機能性副甲状腺結節を描出する方法である1,2)。
99mTc-MIBIは心筋血流製剤として使用されているが,近年,副甲状腺腫・過形成にも取り込まれることがわかってきた。99mTc-MIBIを静注したのち,早期相(約10分後)においては正常甲状腺にも集積するので副甲状腺は描出されにくい。しかし,後期相(約2~3時間後)において甲状腺への集積はwash outされ,副甲状腺への集積はretentionされるので明瞭に描出されるようになる3)。ただし,この核種は現時点では副甲状腺検査として保険収載されていない。
これまで,副甲状腺のみに特異的に集積する核種は開発されていない。
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