特集 ここが聞きたい―泌尿器科検査ベストプラクティス
C.内視鏡的検査法
■尿管鏡
【尿管鏡】
37.硬性鏡,軟性鏡の種類と特徴,使い分けについて教えて下さい。
奴田原 紀久雄
1
1杏林大学医学部泌尿器科
pp.128-130
発行日 2006年4月5日
Published Date 2006/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100084
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1 尿管鏡の種類と特徴
現在の尿管鏡の種類と特徴を把握するには,従来どのような製品が開発されてきたかをみると理解しやすい。表1にRichard Wolf社で開発,販売された硬性尿管鏡を示す。光学系におけるこの間の大きな進歩はrod lens系よりfiberへの移行で,これにより外径の著しい細径化がなされた。また,レーザー砕石装置の登場は,操作孔も合わせて細径化でき,1993年には先端外径4.5 Frの硬性尿管鏡も出現している。しかし,操作孔より異物鉗子をはじめとしたさまざまな処置器具を挿入するためには,操作孔2.4 Frはあまりに細く,尿管鏡手術の適応範囲を狭めることになった。また,尿管鏡の先端外径も6~8 Frであれば十分に低侵襲であると考えられ,先端外径をこの太さに保ち,操作孔を拡張する方向に開発の方向性が変わっていった。
この間,fiberを束ねる技術が進歩し,同じ太さでもより多くfiberを入れることができるようになり,視野の明るさをはじめとした画質の向上がもたらされた。すなわち,最近の傾向としては,同じ太さながら従来の製品より明るく,操作孔の内径が大きな硬性尿管鏡が開発されている。また,従来行われていたガス滅菌は,それを行う医療関係者に対して毒性を持つということより,最近の尿管鏡は硬性鏡,軟性鏡を問わず,オートクレーブによる滅菌が可能となってきている。
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