特集 ここが聞きたい―泌尿器科検査ベストプラクティス
C.内視鏡的検査法
■膀胱尿道鏡
【硬性鏡】
31.硬性鏡の種類と特徴について教えて下さい。
蓮井 良浩
1
1宮崎大学医学部泌尿器科
pp.114-116
発行日 2006年4月5日
Published Date 2006/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100078
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1 はじめに
膀胱尿道鏡検査は下部尿路疾患の診断のために行われる。肉眼的血尿では出血部位の確認ができ,顕微鏡的血尿や超音波検査で疑われた膀胱内腫瘤,膀胱憩室,膀胱結石などが観察できる。排尿障害の原因診断として,尿道を観察することで前立腺肥大症の診断ができ,同時に治療の適応の判定をすることができる。また,膀胱腫瘍術後の再発の有無を定期的に行い,膀胱内腫瘤性病変に対して生検鉗子を使用しての生検も可能である。治療としても膀胱内異物や結石の経尿道的除去が可能である。また,上部尿路疾患でも尿管カテーテル留置をすることで,逆行性腎盂造影,左右の分腎尿採取や抗癌剤の腎盂内への薬液注入が可能となる(表1)1~3)。
尿路や生殖器に急性炎症が認められる場合,つまり急性膀胱炎,急性前立腺炎,急性尿道炎,急性精巣上体炎などがある場合には,膀胱尿道鏡検査は感染を増悪させる危険性があるので行うべきではない。
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