特集 ここが聞きたい―泌尿器科検査ベストプラクティス
A.一般臨床検査法
■尿検査
【採尿法】
10.採尿法のポイントと注意点について教えて下さい。
檜垣 昌夫
1
1独立行政法人国立病院機構災害医療センター泌尿器科
pp.47-48
発行日 2006年4月5日
Published Date 2006/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100057
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
1 基本的事項
泌尿器科疾患の診断に尿検査は不可欠なものである。尿検査は,患者に苦痛を与えることなく多くの情報を得ることができる点で有用である。尿は蛋白・核酸代謝の終末産物や中間代謝物(尿素,尿酸,クレアチニン,アンモニア,アミノ酸など),諸種の有機および無機塩類,電解質,解毒物質,微量のビタミン,ホルモン,酵素などを含有する。それらの物質の量的,質的変化や健常人尿では出現しない物質(蛋白,糖,ヘモグロビン,ビリルビン,赤血球,白血球,円柱,細胞,細菌など)の出現状況から腎・尿路の疾患のみならず,内分泌・代謝系など多くの臓器の機能異常や病態を知ることができる。また,尿検査を経時的に行うことによって病態の変化,予後の推定,治療法の選択などにも重要な情報を与えてくれる1)。それにはまず正しい採尿法で正しい処理を行わなければ情報自体の信頼性が問題となる。
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.