特集 ここが聞きたい―泌尿器科検査ベストプラクティス
A.一般臨床検査法
■診察法
【陰囊内容の診察】
4.陰囊内容の診察のポイントと注意点について教えて下さい。
木村 剛
1
,
西村 泰司
1
1日本医科大学泌尿器科
pp.30-34
発行日 2006年4月5日
Published Date 2006/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100051
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1 はじめに
陰囊内容の疾患の診察において最も重要なことは,精巣腫瘍と精索捻転症を見逃さないことである。精巣腫瘍においては精巣上体頭部近くに占拠している場合,精巣上体炎との鑑別が難しい。当科においても,他院で精巣上体炎と診断され長期間の治療を受けたのち改善がみられないため来院し,結局,精巣腫瘍と診断した症例を経験している。また,精索捻転症では,手術の不必要な急性精巣上体炎や精巣垂,精巣上体垂捻転症との鑑別が難しい場合がある。
陰囊内疾患の診断においては,病歴に診断のヒントが隠れている場合が多い。十分な問診を行うことが肝要である。また,陰囊内疾患の鑑別診断においては,超音波診断装置が非常に有用である。それゆえ,できるだけその場で施行していただきたい。
本稿では,日常診療で遭遇する陰囊内疾患の特徴を,その超音波像を交えて概説したい。
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