特集 ここが聞きたい―泌尿器科検査ベストプラクティス
A.一般臨床検査法
■尿検査
【細胞診】
17.左右上部尿路尿細胞診の採尿のポイントと注意点について教えて下さい。
上領 頼啓
1
1済生会下関総合病院泌尿器科
pp.71-74
発行日 2006年4月5日
Published Date 2006/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100064
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1 はじめに
尿細胞診において,検体の採取には,通常,自然排尿時の尿(自然尿)を用いるが,自然尿は,当然,腎杯,腎盂,尿管と通過し膀胱に暫時滞留したのちに排泄されたものであるから,それぞれの部位のはく離細胞を含んでいる。このことは,自然尿の細胞診でははく離細胞が上部尿路からのものなのか,膀胱,尿道からのものなのか判断できない。とはいえ,自然尿細胞診でも上部尿路からと思われる移行上皮の特徴を持つ細胞の出現をみる。上部尿路上皮由来の細胞は膀胱上皮に比べて変性が強く,細胞質や核の染色性も異なっていて鑑別可能としているが1),確実に診断するためには上部尿路から尿の採取を行い尿細胞診検査を行わねばならない。本稿では,その方法について述べる。
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