Japanese
English
特集 皮膚真菌症の新しい治療戦略
Overview
診断—外来における真菌検査,診断のコツ
Diagnosis:technical skill for diagnosing fungal diseases in office practice
原田 敬之
1
Takashi HARADA
1
1東京女子医科大学附属第二病院皮膚科
1Department of Dermatology, Tokyo Women's Medical University Daini Hospital
pp.15-16
発行日 2001年12月10日
Published Date 2001/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903777
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
はじめに
他の皮膚疾患と同様に,皮膚真菌症の治療に当たって,まずその診断を確定することが必須であることは論をまたない.特に,経口抗真菌剤を投与する際にはさらにその重要性は高くなる.真菌症と誤診された症例に延々と抗真菌剤を投与することは,単に無益というだけでなく,患者に肉体的,精神的,経済的な負担を与える.
皮膚真菌症は典型的な臨床症状を呈する症例では診断は容易であるが,副腎皮質ホルモン剤が誤用されていたような非定型例も少なからず存在するので疑わしい例は必ず真菌学的検査を行う必要がある.皮膚真菌症の診断は臨床的な診断力とそれを裏付ける検査とが相まって確実なものとなる.前者は経験による力で,いわばカンが必要である.後者は技術で,科学的な証拠付けであり,コツが必要である.臨床経験を積んで臨床診断力に自信のある臨床家がかえって真菌学的検査を怠って誤診する傾向も否めないので,研修医時代より面倒がらずに検査を行うように習慣づけることが肝要である.
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.