Japanese
English
症例報告
上口唇に生じたhidradenoma papilliferumの1例
A case of hidradenoma papilliferum of the upper lip
菊池 麻紀
1
,
島貫 洋子
1
,
繁益 弘志
1
,
原田 敬之
1
Maki KIKUCHI
1
,
Hiroko SHIMANUKI
1
,
Hiroshi HANYAKU
1
,
Takashi HARADA
1
1東京女子医科大学附属第二病院皮膚科
1Department of Dermatology, Tokyo Women's Medical University Daini Hospital
キーワード:
hidradenoma papilliferum
,
乳頭状汗腺腫
,
S−100蛋白
,
CEA
,
GCDEP−15
Keyword:
hidradenoma papilliferum
,
乳頭状汗腺腫
,
S−100蛋白
,
CEA
,
GCDEP−15
pp.65-68
発行日 2000年1月1日
Published Date 2000/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903110
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71歳,女性.約10年前より,右上口唇に硬結が出現し,漸次,ドーム状に隆起してきた.初診時径14×14mmの皮下結節で,表面は平滑で灰青色調を呈し,弾性やや硬に触れた.自覚症状はない.表皮嚢腫の疑いで単純切除した.病理組織学的に腫瘍細胞は内腔を形成する円柱状細胞とその外側の立方形細胞とからなる.円柱状細胞では断頭分泌像が認められた.免疫組織化学的に,S−100蛋白が一部の立方形細胞,CEAは一部の内腔面,GCDFP−15は大部分の円柱状細胞と腺腔内にそれぞれ陽性を示した.以上の所見より,上口唇に生じたhidradenoma papilliferumと診断した.現在までの本邦皮膚科領域における報告例は28例で,そのほとんどが外陰部の発生例である.顔面に生じた例は自験例を含め4例であった.国内外の既報告例をもとに本腫瘍の免疫組織化学的所見をまとめ,若干の考察を加えた.
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