Japanese
English
症例報告
卵巣癌の姑息的手術後に改善がみられた皮膚筋炎
Dermatomyositis improved after operation for ovarian carcinoma
石田 正
1
,
水川 良子
1
,
塩原 哲夫
1
,
塩川 滋達
2
,
岩下 光利
2
Tadashi ISHIDA
1
,
Yoshiko MIZUKAWA
1
,
Tetsuo SHIOHARA
1
,
Shigetatsu SHIOKAWA
2
,
Mitsutoshi IWASHITA
2
1杏林大学医学部皮膚科学教室
2杏林大学医学部産婦人科学教室
1Department of Dermatology, Kyorin University School of Medicine, Mitaka, Japan
2Department of Gynecology, Kyorin University School of Medicine, Mitaka, Japan
キーワード:
皮膚筋炎
,
悪性腫瘍
,
KL-6
,
手術
Keyword:
皮膚筋炎
,
悪性腫瘍
,
KL-6
,
手術
pp.1039-1042
発行日 2007年12月1日
Published Date 2007/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101825
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要約 60歳,女性.初診の2週間前に露光部と手指関節背部の紅斑を認め,近医で皮膚筋炎を疑われ紹介受診した.初診時,左鎖骨上窩リンパ節を触知し悪性腫瘍が疑われたため,ステロイドを投与せずに精査を進めたところ,転移を伴う卵巣癌が発見された.姑息的に子宮付属器切除術を行った直後より,CK値と両上眼瞼の浮腫,四肢の浮腫性紅斑の改善を認めた.しかし,筋症状に変化なく皮膚症状も寛解には至らず,ステロイド投与を必要とした.悪性腫瘍の手術後に改善したとする皮膚筋炎の報告は多いが,ステロイドが投与されている例も多く,詳細は不明である.自験例と教室例での検討では,手術に伴う侵襲や麻酔などの因子が症状の改善に関与している可能性が示唆された.
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