Japanese
English
今月の症例
前腕に脳回転状腫瘤を認めたプロテウス症候群の1例
A case of Proteus syndrome associated with a cerebriform tumor on the forearm
大津 孝枝
1
,
上枝 万純
1
,
宮下 正人
1
,
戸井 洋一郎
1
,
荒川 謙三
1
,
荒田 次郎
1
Takae OHTSU
1
,
Masumi UEDA
1
,
Masato MIYASHITA
1
,
Yoichiro TOI
1
,
Kenzo ARAKAWA
1
,
Jiro ARATA
1
1岡山大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Okayama University Medical School
キーワード:
プロテウス症候群
,
脳回転状腫瘤
,
半側肥大
Keyword:
プロテウス症候群
,
脳回転状腫瘤
,
半側肥大
pp.408-410
発行日 1996年5月1日
Published Date 1996/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901870
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46歳,女性.生来,上腕,手背のびまん性腫大あり,リンパ浮腫と診断されていた.中学生時,丹毒罹患後,右前腕に不整な褐色斑出現.その後も蜂窩織炎を繰り返し,20歳頃より同部が疣状隆起,30歳後半より徐々に増大してきた.初診時,四肢は右側優位にびまん性に腫大し,様々な色素沈着病変を合併.右前腕には,脳回転状の皺襞を有する小児頭大の岩礁状隆起性病変,また頸部,項部,前胸部に表面凹凸する不整な紅褐色斑が見られた.骨X線像著変なし.岩礁状部の組織では,表皮の乳頭状増殖,脂肪腫,血管腫,リンパ管腫,線維腫が混在し,リンパ浮腫を伴っていた.1)半側肥大,2)脈管,脂肪組織,膠原線維の過誤腫,3)皮膚の脳回転状腫瘤などの存在より,本例をプロテウス症候群と診断.従来の報告に比して症状発現が緩徐で,皮膚組織の過剰発育が主体だった.
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