Japanese
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症例報告
結腸癌の所属リンパ節に類上皮細胞肉芽腫の充満像を示したサルコイドーシス—サルコイド反応とサルコイドーシスの相違について
Sarcoidosis associated with colon carcinoma showing multiple sarcoidal epithelioid cell granulomas in regional lymph nodes : Difference between sarcoid reaction and sarcoidosis
加藤 直子
1
,
外舘 晃洋
1
,
冨田 幸希
1
,
女澤 慎一
2
Naoko KATO
1
,
Akihiro SOTODATE
1
,
Yuki TOMITA
1
,
Shinichi MEZAWA
2
1国立札幌病院皮膚科
2国立札幌病院内科
1Department of Dermatology, National Sapporo Hospital
2Department of Internal Medicine, National Sapporo Hospital
キーワード:
サルコイドーシス
,
サルコイド反応
,
結腸癌
Keyword:
サルコイドーシス
,
サルコイド反応
,
結腸癌
pp.525-528
発行日 1996年6月1日
Published Date 1996/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901899
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肺門リンパ節の腫脹,顔面の局面型サルコイドーシスの皮疹,右結腸リンパ節内の類上皮細胞肉芽腫を示したサルコイドーシスの女性例を報告する.症例は60歳時に結腸腺癌のため右半結腸切除術および所属リンパ節郭清術を受けた.結腸所属リンパ節には小形で輪郭が明瞭な多数の類上皮細胞肉芽腫が充満していた.胸部X線像では両側肺門のリンパ節腫脹を認めた.その後顔面に境界明瞭な淡紅褐色局面が出現し,組織学的に真皮内の乾酪変性を伴わない類上皮細胞肉芽腫を確認しサルコイドーシスと診断した.サルコイドーシスのリンパ節浸潤は,傍皮質領域を中心に輪郭が明瞭で典型的な類上皮細胞肉芽腫を多数形成するものが多い.一方,癌の所属リンパ節でのサルコイド反応は,主として洞内に組織球系細胞が集簇し,類上皮細胞肉芽腫は形態が不規則で不明瞭のことが多い.両者の典型例は組織学的に鑑別が可能である.
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