Japanese
English
特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 2001
2 皮膚疾患の病態
一酸化窒素(NO)と皮膚疾患
Nitric oxide in skin diseases
山岡 淳一
1
Junichi YAMAOKA
1
1京都大学大学院医学研究科皮膚病態学
1Dermatology, Kyoto University, Graduate School of Medicine
キーワード:
nitric oxide(NO)
,
nitric oxide synthase(NOS)
,
サイトカイン
,
遺伝子発現調節
,
皮膚疾患
Keyword:
nitric oxide(NO)
,
nitric oxide synthase(NOS)
,
サイトカイン
,
遺伝子発現調節
,
皮膚疾患
pp.38-42
発行日 2001年4月15日
Published Date 2001/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903541
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一酸化窒素(nitric oxide;NO)が皮膚疾患において果たす役割について概説した.乾癬においてはinducible nitric oxide synthase(iNOS)発現,NO大量産生がみられる.このこととIL−8 receptor,発現,Th 1リンパ球の優位,表皮角化細胞の分化および増殖との関連について言及した.接触皮膚炎やアトピー性皮膚炎においてもiNOS発現,NO大量産生がみられている.さらにマウス接触過敏反応がnitric oxide synthase(NOS)inhibitorにより抑制されたことから,この病態成立にNOが関与すると考えられる.紫外線による紅斑形成や色素沈着にもNOを介する経路があることが判明している.また,創傷治癒の各局面においてもNOは重要な役割を果たしている.例えば,血管新生・表皮角化細胞増殖・コラーゲン沈着等がNOによる制御を受けている.今後さらに皮膚疾患・病態におけるNOが果たす役割が解明されれば,将来的にはiNOS specific in—hibitor等の外用による疾患治療が可能になるかもしれない.
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