Japanese
English
原著
骨髄性プロトポルフィリン症:11例の観察
Eleven cases of erythropoietic protoporphyria
福島 佐知子
1
,
川原 繁
1
,
竹原 和彦
1
Sachiko FUKUSHIMA
1
,
Shigeru KAWARA
1
,
Kazuhiko TAKEHARA
1
1金沢大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kanazawa University School of Medicine
キーワード:
骨髄性プロトポルフィリン症
,
プロトポルフィリン
,
家族内発症
,
肝障害
Keyword:
骨髄性プロトポルフィリン症
,
プロトポルフィリン
,
家族内発症
,
肝障害
pp.289-293
発行日 2001年4月1日
Published Date 2001/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903511
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当科において過去10年間に経験した骨髄性プロトポルフィリン症の11例を報告した.11例中家族内発症例を7例含む.男女比は男性6人,女性5人でありほぼ同率であった.初診時年齢は7〜41歳であり,いずれも活動的となり日光暴露時間が増加するようになる幼少時,小学校低学年頃より発症を認めている.11症例中10例に瘢痕,色素沈着を主体とする皮膚症状を,9例に日光暴露後に露光部に紅斑,水疱などが生ずる日光過敏の自覚症状を認めた.血中プロトポルフィリン値は289〜11610と正常値30〜86に比し高値を示し,前駆体であるコプロポルフィリン,ウロポルフィリンの有意の上昇を認めなかった.2症例においては肝酵素の上昇を認め,うち1例においては早期の肝硬変が認められた.本症では皮膚症状が軽微な場合,見過ごされることが少なくないが,重篤な肝障害を伴うことが稀でないことより皮膚科医による早期診断が重要である.
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