Japanese
English
今月の症例
有棘顎口虫によるcreeping diseaseの1例
A case of creeping disease due to Gnathostoma spinigerum
西川 武二
1
,
稲田 めぐみ
1
,
高 理佳
1
,
赤尾 信明
2
Takeji NISHIKAWA
1
,
Megumi INADA
1
,
Rika KOH
1
,
Nobuaki AKAO
2
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
2東京医科歯科大学医動物学教室
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
2Department of Medical Zoology, Faculty of Medicine, Tokyo Medical and Dental University
キーワード:
頻口虫症
,
有棘顎口虫
,
爬行疹
,
creeping eruption
Keyword:
頻口虫症
,
有棘顎口虫
,
爬行疹
,
creeping eruption
pp.14-17
発行日 2000年1月1日
Published Date 2000/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903096
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46歳,女性.初診の2週間前から躯幹に軽度の痒みと違和感を伴う爬行性線状皮疹が出現した.好酸球数,IgE値は正常.8種類の寄生虫抗原(宮崎肺吸虫,ウエステルマン肺吸虫,アニサキス1型幼虫,ブタ蛔虫,イヌ糸状虫,イヌ蛔虫,ネコ蛔虫,マンソン裂頭条虫プレロセルコイド)を用いたELISAはいずれも陰性,ドロレス顎口虫抗原を用いたELISA,寒天ゲル内二重免疫拡散法も陰性であった.線状皮疹の終点とその遠方を含めて外科的に切除後,皮疹と自覚症状は消失した.脂肪組織内に虫体断片があり,腸管断面の形態より有棘顎口虫の幼虫と同定した.摂食歴とあわせ,自験例はウナギの肝吸いから感染した可能性が高いと考えられた.今後creeping-diseaseの感染源としてウナギの生食あるいは肝吸いも念頭におく必要があると思われる.
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