トピックス
HLA抗原と疾患
助川 鶴平
1
,
辻 公美
1
1東海大学移植学Ⅱ
pp.472-473
発行日 1984年5月1日
Published Date 1984/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203051
- 有料閲覧
- 文献概要
ヒトの主要組織適合抗原であるHLAは,同種内の個体ごとに多様な抗原性を示すことが知られている.この十数年の研究により,その抗原性とさまざまな疾患の頻度との間に相関のあることが知られるようになった.
この相関を示すのに従来,オッズ比X=a・d/b・c(a:ある抗原をもつ患者数,b:その抗原をもたない患者数,c:その抗原をもつ健常者数,d:その抗原をもたない健常者数)が好んで用いられてきた.頻度の少ない疾患においては,相対危険度RR≒Xとなり,一般にXを相対危険度と呼び,その抗原をもつことにより,もたない場合に比して,何倍その疾患にかかりやすいかの指標として使われている.近年,病因係数EF={(RR-1)/RR}×a/(a+b)(RR>1のとき),予防係数PF={(1-RR)×a/(a+b)}/〔RR×{b/(a+b)}+a/(a+c)〕(RR<1のとき)が,その抗原の疾患の発症または予防に対する寄与の指標として使われるようになってきた.
Copyright © 1984, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.