特集 アレルギーと自己免疫
III.自己免疫疾患
2.自己免疫疾患の検査
3)HLA抗原
(1) HLAクラスI抗原
安部 かすみ
1
,
内藤 説也
2
Kasumi ABE
1
,
Setsuya NAITOH
2
1福岡大学医学部内科第二
2福岡大学医学部腎センター
pp.167-168
発行日 1991年11月30日
Published Date 1991/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900834
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はじめに
ヒトの主要組織適合性遺伝子複合体(major histo-compatibility complex)であるHLAは,当初主として同種移植の際の拒絶反応に関与する抗原を支配する遺伝子座領域として発見されたが,現在では生体の防御機構の1つとして重要な役割を担っている遺伝子群と認識されている.生体の防御機構,いわゆる免疫機構は,まず生体が自己,非自己を認識することからその免疫応答は作動するが,その認識過程において,HLAは深いかかわりをもつため自己免疫疾患を中心として,多くの疾患とHLAとの関連性の研究がなされてきたのである.
HLA抗原を規定するヒト第6染色体短腕部にあるHLA遺伝子座は,セントロメアから遠い部よりHLA-A,B,C抗原を規定するクラスI,C2,C4などを規定するクラスIII,HLA-DR,DQ,DPのいわゆるHLA-Dを規定するクラスIIに区分され,それぞれの遺伝子産物をクラスI,II,III抗原と分類して呼んでいる.本稿ではHLAクラスIについての総論,疾患との関連性について述べる.
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