検査法の基礎理論 なぜこうなるの?
HLA抗原とは
高村 孝子
1
,
内藤 説也
1
1福岡大学医学部第2内科
pp.971-976
発行日 1983年11月1日
Published Date 1983/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202892
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HLA抗原とは
いわゆる組織適合抗原と呼ばれているものは,まずマウスで同定され,これにはいろいろな種類があるが,その中であるマウスから他のマウスへ皮膚を移植した時,特に強い拒絶反応を引き起こす抗原を主要組織適合抗原(MHC)といい,遺伝的に決められるものでマウスでは第17番目の染色体上に遺伝子が存在する(H-2).ヒトでは,これに相当するものをHLA-complexといい,これを規定する遺伝子は第6番目の染色体上に存在する.
1950年代後半,頻回輸血患者や経妊産婦血清中に,ある人の白血球とは反応し,別の人とは反応しない白血球抗体が存在することが判明したことより端を発し,1981年度ノーベル医学生理学賞を受賞したDaussetを始めとする多くの人々によって,白血球抗原(human leucocyte alloantigen;HLA)の研究が進められてきた.
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