今月の主題 輸血
技術解説
HLA抗原の検査法
荒木 千枝子
1
,
十字 猛夫
2
1日本赤十字社中央血液センター・血清
2東京女子医科大学輸血部
pp.1444-1450
発行日 1981年11月15日
Published Date 1981/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911409
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HLA抗原は,マウスにおけるH−2抗原と生物学的に相同の抗原であり,同種免疫において最も強い免疫原性を有するものの一つであることが知られている.この意味から,臓器移植,血小板などの血液成分輸血において供血者と受血者の適合性を決めるのに極めて重要な意味を持つ抗原系である.
また,H−2抗原遺伝子座領域に,免疫応答遺伝子をはじめとして,生物学的に重要な遺伝子が存在することが知られている.ヒトにおいても,幾つかの疾患に対する(感受性及び抵抗性)遺伝子が,HLA抗原と密接な相関性を有することも明らかにされており,HLA抗原がこれらの遺伝子を解明するためのマーカーとして利用されている.例えば強直性脊椎炎の診断において,HLA-B 27抗原の有無は重要な手掛かりになってきている.
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