Japanese
English
症例報告
連鎖球菌性膿痂疹および咽頭炎を合併したアトピー性皮膚炎の1例
A case of atopic dermatitis accompanied by streptococcal impetigo and pharyngitis
椿原 裕美
1
,
松本 文昭
1
,
寄藤 和彦
1
,
早川 治
2
Hiromi TSUBAKIHARA
1
,
Fumiaki MATSUMOTO
1
,
Kazuhiko YORIFUJI
1
,
Osamu HAYAKAWA
2
1成田赤十字病院皮膚科
2社会保険船橋中央病院皮膚科
1Department of Dermatology, Narita-Sekijuji Hospital
2Department of Dermatology, Shakai-hoken Funabasi-Chuo Hospital
キーワード:
連鎖球菌性膿痂疹
,
咽頭炎
,
アトピー性皮膚炎
,
最小発育阻止濃度
,
最小殺菌濃度
Keyword:
連鎖球菌性膿痂疹
,
咽頭炎
,
アトピー性皮膚炎
,
最小発育阻止濃度
,
最小殺菌濃度
pp.308-311
発行日 1999年4月1日
Published Date 1999/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902824
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
21歳,男性,アトピー性皮膚炎患者.発熱,咽頭痛と共に顔面,頭部に小膿疱,痂皮を伴うびらんが多発し,組織学的に表皮内膿疱形成を認めた.顔面の小膿疱内容および咽頭からA群連鎖球菌(T23型)を検出し,連鎖球菌性膿痂疹および咽頭炎の合併と診断した.ミノサイクリン(MINO)3週間内服でいったん皮疹は軽快するも,中止後膿痂疹の再燃がみられた.アンピシリン・クロキサシリン2週間追加内服後は再燃はみられなかった.最小発育阻止濃度(MIC)にて感受性のあったMINO投与を皮疹消退後も約2週間継続したにもかかわらず膿痂疹が再燃したため,同菌の最小殺菌濃度(MBC)を測定しMICとの比較を行った.ペニシリン系,セフェム系ではMICとMBCはほぼ一致し,良好な感受性を示した.エリスロマイシン,MINOはMICは良好でもMBCは高値を示した.溶血性連鎖球菌は静菌的抗菌剤では容易に発育阻止されるものの殺菌されずに残存するため,病的皮膚では残存する菌によって容易に膿痂疹の再発がみられるものと思われた.
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.