Japanese
English
臨床統計
溶連菌性膿痂疹とアトピー性皮膚炎の関連―教室例の解析
The relationship between streptococcal impetigo and atopic dermatitis: analysis of our own cases
倉田 麻衣子
1
,
早川 和人
1
,
井上 桐子
1
,
塩原 哲夫
1
Maiko KURATA
1
,
Kazuhito HAYAKAWA
1
,
Kiriko INOUE
1
,
Tetsuo SHIOHARA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology,Kyorin University School of Medicine,Mitaka,Japan
キーワード:
A群溶連菌
,
溶連菌性膿痂疹
,
アトピー性皮膚炎
,
単純ヘルペスウイルス
Keyword:
A群溶連菌
,
溶連菌性膿痂疹
,
アトピー性皮膚炎
,
単純ヘルペスウイルス
pp.876-880
発行日 2009年10月1日
Published Date 2009/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102435
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要約 2002~2006年の5年間に,当科で施行した皮膚培養からA群溶連菌(group A streptococcus:GAS)が検出された95例について検討した.疾患は溶連菌性膿痂疹が30例と最も多く,全体の32%を占めていた.溶連菌性膿痂疹のうち,77%の症例が基礎疾患としてアトピー性皮膚炎(AD)を有しており,他疾患に比べ著しく高率であった.基礎にADを有する膿痂疹症例は,23例中10例(43%)がRajka & Langelandの重症度分類で重症に分類された.これらの症例では,ADを有さない症例と比べ顔面の罹患率は明らかに高値であった(65%vs29%).重症10例では,不明を除く8例中4例で発症前3か月間ステロイド外用薬,タクロリムス軟膏は全く使用されておらず,その4例中3例で広範囲に膿痂疹を認めた.A群溶連菌による膿痂疹はADの重症度と密接な関連があり,特に治療の中止は溶連菌性膿痂疹発症の重要なリスクファクターと考えられる.
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