Japanese
English
増刊号特集 最近のトピックス2021 Clinical Dermatology 2021
2.皮膚疾患の病態
黄色ブドウ球菌のクオラムセンシングとアトピー性皮膚炎
The role of staphylococcal agr quorum sensing in atopic dermatitis
松岡 悠美
1
Yumi MATSUOKA-NAKAMURA
1
1大阪大学免疫学フロンティア研究センター皮膚免疫学
1Cutaneous Immunology, Immunology Frontier Research Center, Osaka University, Suita, Japan
キーワード:
アトピー性皮膚炎
,
Staphylococcus aureus
,
クオラムセンシング
Keyword:
アトピー性皮膚炎
,
Staphylococcus aureus
,
クオラムセンシング
pp.48-50
発行日 2021年4月10日
Published Date 2021/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206330
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
アトピー性皮膚炎の90%以上の患者皮疹部では,病原性偏(片)利共生菌であるStaphylococcus aureusの生着が認められ,菌叢に占める割合も多くなる.一方で,健常皮膚細菌叢ではS. aureusは存在していても僅かであるか,ほとんどみられないという違いがある.S. aureusのAgrクオラムセンシングにより制御を受ける外分泌性毒素,δ-toxin,PSMαがそれぞれ,Th2,IL-17依存性の皮膚炎発症に重要な役割を果たしていることを明らかになった.また,乳児コホート研究から得られた菌株の解析により,アトピー性皮膚炎を発症する群では,S. aureusのagr遺伝子領域の機能が保持される一方で,健常群乳児皮膚では,この遺伝子領域に機能喪失型の変異を誘導することが明らかとなった.
Copyright © 2021, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.