特集 Dos & Don'ts外来の小外科
Ⅵ.尿路・性器
3.尖圭コンジローム
福井 準之助
1
1聖路加国際病院泌尿器科
pp.174-175
発行日 1993年10月30日
Published Date 1993/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901347
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尖圭コンジロームは男性陰茎の冠状溝,包皮との境界,外尿道口,前部尿道,肛門,女性では外陰部,尿道,会陰,腟,肛門に生じるベルベット状の腫瘍で,多発集簇する傾向がある.性交2〜3か月後に出現し.再発しやすい.尖圭コンジロームは巨大尖圭コンジローム(Bushke Loewenstein腫瘍)との鑑別が重要で,前者は乳頭腫ウイルス(HPV 6,11)感染で発生するが,後者の原因は不明.後者は扁平上皮癌の一種で隣接する組織破壊を生じ,巨大化すると陰茎切断が必要.転移は稀であるが,転移のあるときは初発病巣の悪性化を疑う.
尖圭コンジロームの治療には液体窒素による凍結療法,電気凝固療法が原則.Bleomycine局所注射療法,Interferon局所注射療法,Bleomycine軟膏密封療法,Fluorouracil軟膏密封療法などがあるが.無効なら切除する.巨大尖圭コンジロームは陰茎温存腫瘍切除術が原則であるが,補助療法としてBleomycineやInterferonを使用する.局所の単独化学療法は効果が少ない.放射線療法は悪性化促進の可能性がある.レザー療法は局所の欠損小であり,再発予防に有効とする報告がある.
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