Japanese
English
症例報告
巨大な局所型環状肉芽腫の1例
A giant form of localized granuloma annulare
荒木 幹雄
1
,
高橋 靖幸
1
,
塚本 克彦
2
,
大竹 直人
2
,
島田 眞路
2
Mikio ARAKI
1
,
Yasuyuki TAKAHASHI
1
,
Katsuhiko TSUKAMOTO
2
,
Naoto OHTAKE
2
,
Shinji SHIMADA
2
1共立蒲原総合病院皮膚科
2山梨医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kanbara Municipal Hospital
2Department of Dermatology, Yamanashi Medical University
キーワード:
環状肉芽腫
,
巨大型
,
免疫血清学的異常
,
境界型糖尿病
,
肝疾患
Keyword:
環状肉芽腫
,
巨大型
,
免疫血清学的異常
,
境界型糖尿病
,
肝疾患
pp.832-834
発行日 1998年9月1日
Published Date 1998/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902659
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72歳,男性.3年前より,左胸部から左背部にかけて,特異な,巨大な環状紅色隆起局面を認めた.右肩にも同様の局面を認めた.初診時,左胸部から左背部にかけての皮疹の大きさは,11×34cm,右肩の皮疹は4×5cmであり,辺縁の隆起局面の幅は0.5cmから2cmであった.病理組織では,真皮上層から中層にかけて,リンパ球,組織球,多核巨細胞が浸潤し,真皮中層に,膠原線維の変性は不明確ながら,浸潤細胞の柵状配列を認めた.Alcian blue染色にて膠原線維間にムチンの沈着を認めた.巨細胞による弾性線維の貧食像は認めず.アンギオテンシン変換酵素は正常値,ツベルクリン反応は中等度陽性.組織培養にて,細菌,真菌,抗酸菌とも陰性であり,環状肉芽腫と診断した.皮疹は生検およびステロイド外用にて約1か月でほぼ消退した.本症例は,抗核抗体160倍陽性等の免疫血清学的異常,境界型糖尿病,および肝疾患(C型慢性肝炎,肝血管腫,肝硬変,肝細胞癌)を伴った.
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