Japanese
English
症例報告
神経因性膀胱を合併した帯状疱疹の1例
A case of herpes zoster associated with neurogenic bladder
小池 美佳
1
,
石井 清英
1
,
岩原 邦夫
1
,
田中 徹
2
,
近藤 元彦
2
Mika KOIKE
1
,
Kiyohide ISHII
1
,
Kunio IWAHARA
1
,
Tohru TANAKA
2
,
Motohiko KONDOH
2
1江東病院皮膚科
2江東病院泌尿器科
1Division of Dermatology, Koto Hospital
2Division of Urology, Koto Hospital
キーワード:
帯状疱疹
,
神経因性膀胱
,
尿閉
Keyword:
帯状疱疹
,
神経因性膀胱
,
尿閉
pp.811-813
発行日 1998年9月1日
Published Date 1998/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902653
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59歳,男性.初診の前日より右臀部から陰嚢にかけ疼痛出現.翌日同部に一致して小水疱が出現してきたため当院皮膚科を初診した.アシクロビルの内服投与を行うも,同時期より出現してきた排尿障害が3日後には尿閉となったため皮膚科と泌尿器科兼科にて入院した.膀胱内圧曲線にて低緊張性の神経因性膀胱を認め血清抗水痘・帯状疱疹ウイルス抗体価も128倍と高値を示したことから,帯状疱疹に合併した膀胱障害と診断した.アシクロビルの点滴を追加し,副交感神経刺激薬である臭化ジスチグミン投与などにより約3週間にて症状は改善した.帯状疱疹に伴う運動麻痺は稀ではあるが認められるといわれている1).本邦では帯状疱疹に合併した膀胱障害の報告はほとんどが泌尿器科領域からであるが,皮膚科医が仙髄領域に生じた症例を診察する際は,自験例のような合併症を考慮する必要があり,若干の文献的考察を加え報告した.
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