Japanese
English
今月の症例
HIV陽性の帯状疱疹に伴った髄膜炎尿閉症候群の1例
A case of meningitis-retention syndrome accompanied by HIV positive herpes zoster
布袋 祐子
1
,
山尾 明
1
,
佐藤 美聡
1
,
飯泉 琢矢
2
Yuko FUTEI
1
,
Akira YAMAO
1
,
Misato SATO
1
,
Takuya IIZUMI
2
1荻窪病院皮膚科
2荻窪病院神経内科
1Division of Dermatology, Ogikubo Hospital, Tokyo, Japan
2Division of Neurology, Ogikubo Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
帯状疱疹
,
髄膜炎
,
尿閉
,
髄膜炎尿閉症候群
,
HIV
,
human immunodeficiency virus
Keyword:
帯状疱疹
,
髄膜炎
,
尿閉
,
髄膜炎尿閉症候群
,
HIV
,
human immunodeficiency virus
pp.13-16
発行日 2020年1月1日
Published Date 2020/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205923
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要約 50歳,男性.右側第5胸髄の帯状疱疹のためアシクロビル750mg/日で加療を開始したところ,数日後より髄膜刺激徴候,下肢のしびれおよび尿閉が出現した.髄液検査にて水疱帯状疱疹ウイルス陽性であったため,帯状疱疹に伴う髄膜炎尿閉症候群と診断した.アシクロビルを1,500mg/日に増量し14日間投与したところ,髄膜炎症状は速やかに改善し,尿閉は約2か月で軽快した.経過中,human immunodeficiency virus(HIV)抗体陽性,CD4値の低下が判明し,無症候期のHIV感染症と診断した.帯状疱疹に髄膜炎尿閉症候群を合併することは稀であり,HIV感染症を伴った例はわれわれが調べえた限りみられなかった.われわれ皮膚科医は帯状疱疹に髄膜炎尿閉症候群が合併しうることを認識する必要があると思われた.
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