Japanese
English
症例報告
骨病変を伴う筋肉内粘液腫の1例
A case of intramuscular myxoma with bone lesion
山村 弟一
1
,
吉良 正浩
1
,
荻堂 優子
1
Teiichi YAMAMURA
1
,
Masahiro KIRA
1
,
Yuko OGIDO
1
1大阪船員保険病院皮膚科
1Department of Dermatology, Osaka Seamen's Insurance Hospital
キーワード:
筋肉内粘液腫
,
坐骨骨病変
,
臀部腫瘤
Keyword:
筋肉内粘液腫
,
坐骨骨病変
,
臀部腫瘤
pp.541-543
発行日 1998年6月1日
Published Date 1998/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902585
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88歳,男性の臀部に発症した筋肉内粘液腫の1例を報告した.初診の約10年前より臀部の腫瘤に気づくも放置.徐々に増大したため,家人に指摘され受診.右臀部に14×6×4cmの境界明瞭な弾性軟腫瘤.MRIで腫瘤は大臀筋から皮下脂肪織にかけて増殖し,T2画像で強調される多嚢胞性腫瘍であった.同側の坐骨には骨病変を認めた.生検時,腫瘍は筋膜で包まれゼラチン様物質に富んでいた.病理組織では間質はピアルロニダーゼ処理にて消化されるムコ多糖体に富み,血管に乏しく,腫瘍細胞は小型で異型性に乏しく,免疫組織化学でvimentin陽性,S−100蛋白,desminは陰性であった.以上より筋肉内粘液腫と診断した.同側の坐骨に骨病変を認め,かつ高齢であることより術後における骨盤の病的骨折が危惧されたため,切除せず経過観察とした.
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