Japanese
English
症例報告
唾液腺分泌低下をきたし,汗腺・汗管周囲に肉芽腫を認めた苔癬様型皮膚サルコイドーシスの1例
A case of lichenoid variety of cutaneous sarcoidosis with sialaporia and granuloma formation around sweat grands and ducts
古橋 正男
1
,
秋山 千恵
1
,
赤須 玲子
1
,
塚本 克彦
1
,
大竹 直人
1
,
古江 増隆
2
,
玉置 邦彦
3
,
島田 眞路
1
Masao FURUHASHI
1
,
Chic AKIYAMA
1
,
Reiko AKASU
1
,
Katsuhiko TSUKAMOTO
1
,
Naoto OHTAKE
1
,
Masutaka FURUE
2
,
Kunihiko TAMAKI
3
,
Shinji SHIMADA
1
1山梨医科大学皮膚科学教室
2東京大学医学部附属病院分院皮膚科
3東京大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Yamanashi Medical University
2Department of Dermatology, Tokyo University Branch Hospital
3Department of Dermatology, Faculty of Medicine, University of Tokyo
キーワード:
唾液腺分泌低下
,
苔癬様型皮膚サルコイドーシス
,
汗腺
,
Sjögren症候群
Keyword:
唾液腺分泌低下
,
苔癬様型皮膚サルコイドーシス
,
汗腺
,
Sjögren症候群
pp.537-539
発行日 1998年6月1日
Published Date 1998/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902584
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
70歳,女性.視野に黒点を自覚していたが,胸部,背部,上肢に小丘疹が播種状に多発し,口渇感も伴ったため当科を受診した.背部の組織所見では真皮上皮層に小型の非乾酪性類上皮細胞肉芽腫が集簇していたが,真皮中下層では主にその肉芽腫は汗腺・汗管周囲に認められた.BHLは認められなかったが,眼科的に肉芽腫性虹彩炎,耳下腺造影では耳下腺導管の拡張,狭窄像,Gaシンチグラフィーでは両涙腺,耳下腺,左顎下腺に異常集積像を認めた.血液検査では血清Ca値,ACE値は正常範囲内であった.なお,諸検査にてSjögren症候群を否定できたことから,臨床症状はすべてサルコイドーシスによるものと考えられた.また,皮膚サルコイドーシスは苔癬様型であった.プレドニゾロン30mg/目内服にて治療開始し,皮膚症状,口渇感,眼症状,検査所見ともに著明に軽快した.
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.