Japanese
English
症例報告
広範囲に汎発した苔癬様型皮膚サルコイドーシスにステロイド全身投与が奏効した1例
A case of disseminated lichenoid sarcoidosis successfully treated with systemic corticosteroid
佐藤 祐樹
1
,
井川 哲子
1
,
岸部 麻里
1
,
西 薫
2
,
山本 明美
1
Yuuki SATO
1
,
Satomi IGAWA
1
,
Mari KISHIBE
1
,
Kaoru NISHI
2
,
Akemi ISHIDA-YAMAMOTO
1
1旭川医科大学皮膚科学講座
2ふらの皮フ科
1Department of Dermatology, Asahikawa Medical University, Asahikawa, Japan
2Furano Dermatology, Furano, Japan
キーワード:
苔癬様型皮膚サルコイドーシス
,
ステロイド全身投与
Keyword:
苔癬様型皮膚サルコイドーシス
,
ステロイド全身投与
pp.581-585
発行日 2024年7月1日
Published Date 2024/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207358
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要約 40歳台,女性.当科初診3か月前より瘙痒を伴う皮疹が出現し前医を受診した.コルチコステロイド外用で改善なく病理組織学的検査でサルコイドーシスを疑われ当科へ紹介.初診時,体幹や前額部に粟粒大の淡紅色から淡黄色の丘疹が集簇し一部手掌大までの苔癬様局面を形成していた.病理組織学的に表皮直下から真皮中層にかけて非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認めLanghans型巨細胞も散見されたため苔癬様型皮膚サルコイドーシスと診断した.肺門および縦隔リンパ節の腫大以外の他臓器病変はなく,前医の治療にクラリスロマイシンとトラニラスト内服を追加したが皮疹と瘙痒は改善しなかった.整容面と瘙痒の改善目的にプレドニゾロン20 mg/日内服を開始し皮疹は消退,漸減後も再燃していない.皮膚サルコイドーシスの治療は外用コルチコステロイドが第一選択だが,難治の皮膚病変に対するコルチコステロイド全身投与が患者のQOL改善に貢献する可能性がある.
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