Japanese
English
症例報告
糖尿病に発症し,救命しえた非クロストリジウム性ガス壊疽
Non-clostridial gas gangrene in patient with diabetes mellitus
原 弘之
1
,
服部 綾子
1
,
森嶋 智津子
1
,
下島 博之
1
,
本庄 三知夫
1
,
落合 豊子
1
,
森嶋 隆文
1
,
熊坂 一成
2
,
花輪 純子
3
Hiroyuki HARA
1
,
Ayako HATTORI
1
,
Chizuko MORISHIMA
1
,
Hiroyuki SHIMOJIMA
1
,
Michio HONJO
1
,
Toyoko OCHIAI
1
,
Takafumi MORISHIMA
1
,
Kazunari KUMASAKA
2
,
Junko HANAWA
3
1日本大学医学部皮膚科学教室
2日本大学医学部臨床病理
3花輪皮膚科
1Department of Dermatology, Nihon University School of Medicine,
2Department of Clinical Pathology, Nihon University School of Medicine
3Hanawa Dermatology Clinic
キーワード:
非クロストリジウム性ガス壊疽
,
糖尿病
,
緊急グラム染色
Keyword:
非クロストリジウム性ガス壊疽
,
糖尿病
,
緊急グラム染色
pp.415-418
発行日 1998年5月1日
Published Date 1998/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902551
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37歳の男性.血糖コントロール不良な糖尿病がある.初診2週間前より左5趾に生じた潰瘍が発赤,腫脹し,3日前より急激に症状が悪化し,左4,5趾は壊死に陥り,足背に水庖が出現した.単純X線にて皮下ガス像がみられ,グラム染色の結果はグラム陰性桿菌と陽性連鎖球菌が認められた.細菌培養の結果,Morganella Morganii, Streptococcus intermedius, Peptococcusが検出され,嫌気性菌と好気性菌の混合感染であった.当日にデブリードマンとカルバペネム系抗生物質を投与し,10日目に切断は左4,5趾のみに留め,植皮術を施行した.本症の予後は悪く,下腿切断術を行う積極的な外科療法が一般的であるが,ガス産生能の証明による早期診断,グラム染色による適切な抗生物質の選択と早期デブリードマンにより下腿を切断せずに救命しうる可能性が高まるものと考えた.
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