Japanese
English
症例報告
糖尿病に合併した非クロストリジウム性ガス壊疽の1例
Non-clostridial gas gangrene developing in a patient with diabetic mellitus
笹井 収
1,4
,
松永 純
2
,
高橋 和宏
1
,
梅村 周香
3
Shu SASAI
1,4
,
Jun MATSUNAGA
2
,
Kazuhiro TAKAHASHI
1
,
Shuka UMEMURA
3
1いわき市立総合磐城共立病院皮膚科
2秋田大学医学部皮膚科学教室
3いわき市立総合磐城共立病院内科
4東北大学医学部皮膚科学教室
1Division of Dermatology, Iwaki Kyoritsu General Hospital
2Department of Dermatology, Akita University School of Medicine
3Division of Internal Medicine, Iwaki Kyoritsu General Hospital
キーワード:
非クロストリジウム性ガス壊疽
,
壊死性筋膜炎
,
糖尿病
,
デブリードマン
Keyword:
非クロストリジウム性ガス壊疽
,
壊死性筋膜炎
,
糖尿病
,
デブリードマン
pp.925-927
発行日 1995年10月1日
Published Date 1995/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901678
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コントロール不良の糖尿病がある42歳の女性が左足の疼痛を主訴に受診.左足底母趾球部に直径1cm大の潰瘍と,その周囲に圧痛を伴う紅斑を認めた.局所の処置と抗生剤の内服でいったん症状は軽快傾向を示したものの,約2週間後に今度は同足背にも紅斑,疼痛が出現してきたため入院.培養の結果,起炎菌に感受性があると思われた抗生剤の点滴静注を行ったにもかかわらず病状は進行し,4日後には足背の一部が水疱を伴う壊死に陥った.触診にてガス壊疽を疑いX線写真を撮ったところ皮下にガス像を認めた.ただちにデブリードマンを行い局所を開放したところ,病勢の進行は止まった.壊死組織の細菌培養の結果,B群連鎖球菌,モビルンクス属が陽性だったがクロストリジウム属は陰性.デブリードマン後は局所の消毒,抗生剤の全身投与,湿布,潰瘍治療剤の外用で保存的に経過を観察している.本症では診断がつきしだい壊死組織の除去と局所の開放を行う必要を強調したい.
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