Japanese
English
症例報告
網膜剥離をきたしたアトピー性皮膚炎の1例
A case of atopic dermatitis with retinal detachment of the right eye
白石 葉月
1
,
片根 正恵
1
,
松尾 聿朗
1
,
木田 淳子
2
Hatsuki SHIRAISHI
1
,
Masae KATANE
1
,
Itsuro MATSUO
1
,
Junko KIDA
2
1帝京大学医学部附属市原病院皮膚科学教室
2帝京大学医学部附属市原病院眼科学教室
1Department of Dermatology, Teikvo University School of Medicine, Ichihara Hospital
2Department of Ophthalmology, Teikyo University School of Medicine, Ichihara Hospital
キーワード:
アトピー性皮膚炎
,
網膜剥離
Keyword:
アトピー性皮膚炎
,
網膜剥離
pp.221-223
発行日 1998年3月1日
Published Date 1998/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902457
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21歳,女性.幼児期よりアトピー性皮膚炎と診断され治療を受けていた.初診数か月前に治療を中止したところ,皮疹は徐々に悪化,紅皮症の状態となり,特に両上下眼瞼は湿潤していた.眼痛を訴えたため,眼科を受診したところ両眼角結膜炎,両眼白内障と診断され,眼痛は角結膜炎の治療により消退した.角結膜炎治癒後,眼底検査で右眼の赤道部に裂孔を認め,同部を中心に網膜剥離(裂孔原性網膜剥離)が発見され,強膜バックリング術で復位した.患者はうつ病の治療中で,同部を強く掻破していたことから外傷が網膜剥離の誘因と考えられた.アトピー性皮膚炎に伴う網膜剥離の報告は1980年頃から眼科領域で増加傾向がみられる.顔面の重症アトピー性皮膚炎患者を診た場合は眼底検査が必要と考えた.
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