Japanese
English
症例報告
Mycobacterium fortuitumによる皮膚非定型抗酸菌症の1例
A case of atypical mycobacteriosis due to Mycobacterium fortuitum
矢野 正一郎
1
,
朝比奈 昭彦
1
,
川端 康浩
1
,
今門 純久
1
,
玉置 邦彦
1
Shoichiro YANO
1
,
Akihiko ASAHINA
1
,
Yasuhiro KAWABATA
1
,
Sumihisa IMAKADO
1
,
Kunihiko TANIAKI
1
1東京大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Faculty of Medicine, University of Tokyo
キーワード:
Mycobacterium fortuitum
,
非定型抗酸菌
,
皮膚感染症
Keyword:
Mycobacterium fortuitum
,
非定型抗酸菌
,
皮膚感染症
pp.916-919
発行日 1997年10月1日
Published Date 1997/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902336
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48歳,男.初診の8か月前に右背部の皮下腫瘤に気づいた.プールでジャグジーを頻繁に背中に当てていたこと以外に外傷の既往はない.近医にて炎症性粉瘤と診断されて抗生剤を内服したが,寛解,増悪を繰り返した.最近腫瘤が増大し,一部自潰,排膿も認めたため当科受診.臨床所見より炎症性粉瘤,皮膚悪性腫瘍を疑い,腫瘤の一部を生検したが,主に炎症性肉芽腫であったため腫瘤を全摘した.全摘標本も肉芽腫性変化が主体であった.組織培養と核酸同定検査からMycobacterium fortuitumによる皮膚非定型抗酸菌症と診断した.術後オフロキサシンを内服し,現在まで再発はない.本菌による皮膚感染症は国内では1977年に第1例が報告されて以来,自験例を含め24例であった.発症原因として外傷部からの感染と免疫能低下による日和見感染が重要である.最近,診断に核酸同定法が,治療にニューキノロン系の抗菌剤が有用という報告例が増加している.
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