Japanese
English
症例報告
Nodular-cystic fat necrosisの1例
A case of nodular-cystic fat necrosis
手塚 匡哉
1
,
手塚 光彦
1
,
猪股 成美
1
Masaya TEZUKA
1
,
Mitsuhiko TEZUKA
1
,
Noriyoshi INOMATA
1
1医療法人社団徳友医院皮膚科
1Division of Dermatology, Tokuyu Clinic
キーワード:
nodular-cystic fat necrosis
,
脂肪壊死
,
可動性皮下腫瘤
Keyword:
nodular-cystic fat necrosis
,
脂肪壊死
,
可動性皮下腫瘤
pp.845-848
発行日 1997年9月1日
Published Date 1997/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902320
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62歳,女性.右下腿伸側に,米粒大の皮下腫瘤を4個認める.うち2個を生検,一方は線維性の結合織被膜に被われ,内部は脂肪細胞が融解し,空洞化している.残った脂肪細胞は核が消失し,著明な線維化を伴った脂肪壊死像を呈する.もう一方は,薄い線維性の結合織被膜に被われた胞巣状構造を呈し,脂肪細胞は変性し,核の遺残物が散在する.内部および被膜内には,線維化し変性したものや血栓を伴う血管構築がみられる.自験例は坂ら1)の分類したnodular-cystic at necrosis(NCFN)の早期と晩期の2つの病変が共存し,本症の脂肪変性過程の経時的変化を考える上で興味深い症例である.本邦では,従来,脂肪壊死巣からなる可動性皮下腫瘤はNCFN,mobile encapsulated lipoma,被包性脂肪壊死性小結節の名称で報告されているが,坂らが提唱したこれら3疾患を脂肪壊死細胞の変性過程の経時的変化として捉え,NCFNとして統一することが最も妥当と考えられた.
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